月舘-蔵の家+美容室
●阿武隈山地の麓で
阿武隈山地のふもと、広瀬川の谷合を走る国道349号に沿って月舘町の市街地が広がる。
その旧国道に沿った商店街にある敷地は、間口が狭く、奥行きが長い短冊型である。
この商店街で、代々商店を営んできた歴史を感じる土地である。
●蔵で営み、蔵にすまう
閉店した旧店舗の一角で美容室を営んでいた施主は、旧店舗と旧宅を撤去し、土蔵を改修して美容室と住まいとして再利用しようと考えていた。
旧店舗の撤去により、蔵は街道にその姿を表しリノベーションにより、見違えるように生き返り新たな時を刻み始めた。
●土蔵をリノベーションする
施主が永年温めてきた構想を実現
1)旧店舗(酒、荒物等を扱っていたが閉店していた)と旧宅を解体撤去 →道路に面した駐車場を確保
2)旧店舗の一角にあった美容室 →土蔵の1階正面へ
3)土蔵の1・2階を構造補強 →住まいとして使う
※結果的に、完成1か月後に発生した3.11の東日本大震災にも、みごとに耐える事ができた。
●土蔵のチカラ
古い土蔵の調査は興味深いものであった。
建てた時の棟札の発見。昭和初期の当時の新聞、商店街の広告チラシなどが、土蔵のあちこちにその中に、現在室内に置いてある行李や箪笥なども発見。眠りから覚めて、古い柱や梁と共に又、新たな時を刻み始めた。
外観(街道側):施工前
外観(街道側):施工後
外観(蔵):施工前
外観(蔵):施工後
内観(1階):施工前
内観(1階):施工後 新しくなった蔵の美容室
内観(廊下):施工後
内観(2階):施工後